商品を流通させる仕組みの一つに、冷凍輸送と呼ばれるものがあります。商品を常温で運ぶのではなく、機械的に冷えた状態を作り出すことで常に冷凍したまま流通させるのが特徴です。鮮度が落ちやすい生鮮食品や、品質の劣化を防ぐ必要がある医薬品などを運ぶ際に利用されています。この仕組みを利用することで得られるメリットは、鮮度を保持することができる期間が大幅に伸びることです。例えば魚や肉といった食品類は、常温で配送してしまうと急速に鮮度が落ちていきます。少し冷凍した状態で郵送するようにすれば、鮮度が高いまま消費者に届けることができます。さらに配送中に食品が傷んでしまうといったことも起きませんから、廃棄ロスを削減できるのもメリットだと言えるでしょう。
現在ではそのメリットの多さから、冷凍輸送を行うことができる配送方法には様々なものがあります。最もよく目にするのがトラックによって配送する方法です。運転席の後ろに大型のコンテナを搭載した冷凍輸送用のトラックは、全国の道路を縦横無尽に走ることできめ細やかなデリバリーを可能とするのが特徴です。トラックによっては複数の温度帯にも対応しており、冷凍が必要な物品だけでなくそれ以外のものも合わせて運ぶことができるため無駄がありません。
鉄道を活用した冷凍輸送も行われています。温度管理に対応した冷凍専用のコンテナが開発されており、それに積載することで品質を保ったままの長距離輸送が可能です。鉄道による冷凍輸送のメリットは、長距離でもトラックより短時間で運ぶことができる点にあります。駅から駅までの輸送に限定されてしまうものの、配送時間を短縮することができるのは大きなメリットです。加えてコストも安いので、長距離輸送時にはこちらを利用するとよいでしょう。